• HOME  >  
  • 新着情報  >  
  • 売却  >  
  • 親が老人ホームへ入ることになった!実家をどうする?

親が老人ホームへ入ることになった!実家をどうする?

親が老人ホームへ入ることになった!実家をどうする?

最近、介護に伴う、ご実家の売却の相談が増えていると感じます。
先日も
一人暮らしをしている親が老人ホームへ入ることになったら、実家を売れるだろうか
というご相談がありました。

思い出のつまったご実家、親御さんが生きておられる間に売却をするというのは、大きな決断のいることだと思います。
できれば、そのままおいておきたい。
でも、老人ホームへの入所には多額の費用がかかります。
ご実家が売れれば、売却代金を老人ホームへの入所費用に充てることができますよね。

今回の相談の方の場合、親御さんが軽い認知症を発症しているようでした。
ご自分のことはわかっておられるし、お話もちゃんとできます。
でも、同じことを何度も聞くようになってきたそうです。
一人暮らしをさせておくことは心配だけど、一緒に暮らすこともできない、と悩んでおられました。

親御さんはどうかと言いますと、家に居たいとおっしゃるそうです。
家を売ってしまうことも、辛そうでした。
帰る家がなくなるというのは、大きな不安なのだと思います。

ご実家売却で悩まれている相談者様の現状

今回のケースをまとめると

・高齢の親御さんは一人で暮らしている。
・親御さんは、軽い認知症で、一人暮らしに不安がある。
・子供たちは独立し、家を購入しており、同居は難しい。
・親御さんは、できたら今の家に住み続けたいと思っている。
・老人ホームへの入所費用は、売却代金を当てたい。
と、こんな状況です。

親御さんの気持ちもよくわかるし、子供さんたちの気持ちもわかります。
そのあたりのことは、やはりご家族で十分にお話合いをして頂くしかありません。

今回の相談者様の場合は、悩まれた末、売却の決断をされました。
しばらくの間入院することになったので、その間に売却の手続きをすることになりました。

親が介護施設に移ったら実家をどうするか、悩ましいことですね。

今同じような問題を抱えておられる方がいらっしゃるかもしれません。
少しでも役に立てればと思いながらこの記事を書いています。
考える手助けになるとように、少し整理をしてみますね。

実家を売却するメリット

介護費用を捻出できる

家の老朽化を防ぐことができる。
家は人が住まなくなると、急速に劣化します。

■空き家で放置することによる治安悪化を防げる。
空き家があると、どうしても近隣の治安が悪くなります。
ご近所の方からどう思われているかなあと、気にしなくてよくなります。

実家の維持管理から解放される。
庭の草取りや室内の風通しなどのために、通わなくてよくなります。
ご自分の生活と、親の介護、更にご実家の管理となると、かなりのご負担になると思います。

固定資産税を払わなくてよくなる。
誰も住んでいないのに、固定資産税を払い続けるのは、もったいない気がしますよね。

実家を売却するデメリット

親を説得しなければならない。
大前提ですが、親名義の不動産を子供が勝手に処分することはできません。
売却するには親御さんの署名と実印が必要です。
仮に認知症になっていた場合は、事前に成年後見人の選任が必要です。
親御さんは大抵売りたくない、とおしゃいます。
親御さんに、納得し同意してもらうのは、大変な場合も多いと思います。

家の中の荷物の整理をしなければならない。
中古住宅を売却する場合は、荷物はやはり売主様に出してもらわないといけません。
お仏壇などがある場合は、特に片付けが大変に思われるかもしれませんね。
全部自分たちでするのは大変なので、必要なものだけ選んで、後は処分業者に頼まれたらいいと思います。
ご自分たちで荷物の整理ができない場合は、必要なものの整理もきちんとしてくれる業者さんもあります。

親御さんの心のよりどころがなくなる。
帰る家がなくなったと寂しい思いを持ち、不安にかられることもあります。

子供さんが罪悪感を感じる場合もある。
実家を売ってしまったことで、親や先祖に申し訳ないと、後から辛い思いをされる方もおられると聞きます。

■終の棲家と思っていた老人ホームから、何らかの事情で退所を求められた場合の行き場がなくなる。

実家を売却するメリット・デメリットについて見てきましたが、いかがでしたか?
デメリットとしては、やはり寂しさや、不安など心の問題となるようですね。

とは言っても、誰も住む予定のないご実家であるなら、いずれは処分しなければならないでしょう。
その決断をいつするのか、ということなのでしょうね。

家を売った時にかかる税金について(居住用財産の3000万円特別控除)

ここで、ちょっと気をつけていただきたいことがあります。
「家を売った場合にかかる税金」についてです。
家を売って、利益が生じた場合に、その利益に対して所得税と住民税がかかります。

しかし、自宅(マイホーム)を売却した場合には、税金が軽減されるしくみがあります。
居住用財産の3,000万円特別控除」という特例です。
3,000万円までの利益に対しては、税金がかからないのです。
この特例は家を引っ越されていても、3年以内であれば適用されます。
マイホームの売却で、3000万円以上の利益が出ることはそうありませんので、税金もかからないことが多いと思います。

でも、問題になる点があります。

自宅(マイホーム)とは、生活の拠点がある場所のこと。
老人ホームに入居している場合、老人ホームが生活の拠点となるそうなんです。
ですので、老人ホームへ入所した場合、実家は自宅(マイホーム)と認められず、この控除が受けられないのです。
つまり、税金がかかる場合があるということです。
ただし、生活の拠点を老人ホームに移した日から、3年経過後の12月末までに売却をすれば3000万円特別控除が使えます。

もし、いずれは家を売却しようと思われているのなら、老人ホームへ入られてから3年以内に売却した方が、税金が少なくすむかもしれないのですね。

家を売った時にかかる税金について(契約書がない場合)

3000万円特別控除に該当しなければ、すべて税金がかかるのかと言えば、そうではありません。
先ほども言いましたが、家を売って利益が生じた場合に、その利益に対して所得税と住民税がかかるのです。
ご実家の売却価格が購入した時より低ければ、税金はかかりません。

ちょっと難しいですが、詳しく言うと、不動産を売却したとき、売却代金から不動産を購入したときの代金(=取得費)と売却するときにかかった費用(=譲渡費用)を差し引いた利益(=売却益)を譲渡所得といい、その利益に対して所得税と住民税がかかります。
そのため、売却して損失が出るなら課税されません。

ややこしいですが、式にすると、こんな風になります。

譲渡所得(売却益)=売却代金-所得費-譲渡費用
所得税額および住民税額=譲渡所得×税額(所有期間5年超で20%、所有期間5年以下で39%)

※取得費……売却した不動産の購入価格・購入の時の仲介手数料・登記費用・印紙代・不動産取得税など
※譲渡費用……売却の時の仲介手数料・登記費用・印紙代・測量費・取り壊し費用など

ここで、質問です。
親御さんは、家を購入した時の代金がわかるもの、つまり、契約書や領収書を置いておられますか?

親御さんに
「家を購入した時の契約書や領収書、おいてる?」
と聞いてみてください。

10年や20年前に購入したようなご自宅であれば、契約書なども保管されていると思います。
ただ、問題になるのは、何十年も前に購入した家であったり、親が先祖から相続したような不動産の場合です。
そのような場合、契約書や領収書などないかもしれません。

このような場合はどうなるかと言うと、取得費を売却価格の5%として計算します。
実際の取得費は、売却価格の5%では少なすぎます。
これはおかしい思うのですが、税法上そう決められています。

ですので、実家の取得費がわからない場合の税金の計算式は
所得税額および住民税額=(売却価格-売却価格の5%-譲渡費用)×税率
となります。

税金に関しては、ちょっと難しいですよね。
契約書がない場合でも、取得費を上乗せできる場合もあるようです。
細かいことは、税務署に問い合わせされたら良いと思います。
私でわかることであれば、お答えしますので、お問い合わせください。

以上見てきたように、売却した時にかかる税金についても頭において、介護資金の検討をしてくださいね。

 

まとめ

親を老人ホームなどへ入所させることを考えている方へ

実家を売ることの大きなメリットとして、介護費用を調達できることと、ご実家の維持管理から解放されることがあります。

一方、デメリットとしては、親を説得しなければならないことなど、心理的な障壁があげられます。

もう住むことのない家であるなら、いずれは売却の決断をしなければなりません。

売却時の税金を考えると、親御さんが生活の拠点を老人ホームに移した日から3年目の年末までに売却することをお勧めします。

売却にあたっては、購入した時の契約書や領収書があるかも確認しておいてください。

最後までお読みいただきありがとうございました
何かお役に立てれば幸いです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

不動産売却に関する、ちょっとした不安も聞かせてください。
売却不安解消コンサルタント
株式会社中谷不動産 売却担当

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

監修者情報

不動産売却のプロとして、皆様のお力になりたい。

不動産売却のプロとして、
皆様のお力になりたい。

代表取締役 柳田 伊津美

代表挨拶はこちら

ご相談・お問い合わせはこちら