空家を所有していることのリスクとは?
先日、宅地建物取引業協会で、空き家についての研修がありました。
そこで、少し、空家問題について考えてみたいと思います。
空家となった理由
空家となってしまった理由について、
平成28年の宅建協会のアンケート結果です。
1.自分も住んだことがある、親の家を相続した
・・・30.6%
2.住み替えて、前の住まいを保有している
・・・21.6%
3.住んだことがない、親の家を相続した
・・・17.6%
4.別荘として購入し、使っていない
・・・15.9%
このように、空き家になった原因としては、
半数が相続により引き継いだことによるようです。
空家による近隣とのトラブル
空家があることにより、近隣から苦情を言われることがあります。
近隣とのトラブルの例としては
次のようなことが考えられます。
1.植栽の越境、落ち葉の被害
2.建物の老朽化や雑草の繁殖による景観悪化
3.ゴミなどの不法投棄
4.害虫の発生や小動物の侵入や住みつき
5.地震や強風による倒壊や瓦などの飛散
6.不審者の侵入や住みつき
7.放火
近隣の方にとっては、近くに空き家があることで
色々と心配になるのかもしれませんね。
不動産の所有者責任
自分の持っている家屋が、地震や暴風などにより
他人に迷惑をかけた場合、どうなるのかと
心配になることがあるのではないでしょうか。
民法には
「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。」
とあります。
つまり、不動産の所有者は、建物の倒壊などにより
被害者が出た場合は、責任を問われるということです。
また、民法第940条では
「相続放棄したも、新相続人が管理を始めるまで、その財産の管理を継続しなければならない」
とありますので、不動産の相続を放棄した場合でも、責任を逃れられないようです。
不要な空家で加害者になってしまい、
損害賠償責任を被っては大変ですね。
空家を保有し続けるコスト
次に、空家を持っていることにより
かかる費用を考えます。
・固定資産税
・火災保険料
・建物の修繕費用
などがあります。
それ以外にも、空家管理会社に管理を依頼した場合は
管理費用がかかりますね。
まとめ
今は使っていない空家をお持ちの方、
所有しているだけでも色々な費用がかかります。
そして、責任も重くかかってきます。
将来必要になるかもしれない不動産なのであれば、
適切な管理が必要ですね。
もし、特に必要のないお家なのであれば
早めに処分を考えた方が良いのかもしれません。
処分しにくい物件なのであれば
何か方法はないか一緒に考えていきましょう。
監修者情報
- 不動産売却のプロとして、
皆様のお力になりたい。 -
代表取締役 柳田 伊津美