古い家の取り壊し費用は売主負担?それとも買主負担?
古い家の建っている土地を売りたいお客様から、「先に建物を潰しておいた方が良いですか」と質問を受けました。
古い建物は先に潰した方がよいか?
結論から言いますと、住宅として活用できそうにない家ならば、
先に建物を潰して更地にしておいた方が売りやすいです。
建物があると、土地の大きさがつかめず、新築の家のイメージがしにくいからです。
特に傷みの激しい家であると、暗い荒れたイメージが付きまといますので、ない方がすっきりした印象になります。
ただ、中古住宅としての価値があり、住宅として売却できる可能性があるなら、潰さずそのままで、土地と中古住宅の両方で売り出しても良いと思います。
建物を潰すことのデメリット
古い建物はない方がすっきりすると言いましたが、それによるデメリットが発生することがあります。
1.建物を潰してしまうと、固定資産税が高くなる可能性があります。
これは、住宅の建っている土地は、固定資産税が減額になっているからです。
目安としては、現在払っている土地の固定資産税が3倍くらいになります。
すぐに売却できた場合はよいのですが、潰したけれどなかなか売れない場合は、固定資産税額の負担が重くのしかかってきます。
2.潰しの費用や滅失登記費用を、売却代金が入ってくる前に支払わなければなりません。
お金に余裕のない場合は難しいかもしれませんね。
古家付き土地とは
不動産のチラシを見ていると、「古家付き土地」という表示があります。
これは、古い家を潰さずにそのままの状態で売り出している土地という意味です。
土地となっていますが、買った後、買主が住宅として使うのはも、ちろんOKです。
ただ、土地として購入して頂くので、建物についての不具合等については、売主は関知しないということになります。
建物取壊し費用を出すのは、買主?売主?
古家付き土地の場合、建物を潰す費用は、買主負担です。
「買っていただいてから、潰して下さい」となります。
ですが、古家付き土地でも「建物撤去は売主」とする場合もあります。
これは、建物の潰す費用がわからないことで買主が購入をためらうのを避けるために、購入希望者が決まったら売主で更地にすることを約束して契約するのです。
これだと、契約が決まってから潰せばよいので、売主は安心して潰すことができますね。
交渉が入った場合
潰しは買主でとしていても、「売主で潰して欲しい」と交渉が入る場合もあります。
もちろん断わってもらってもOKです。
ですが、話があるなら早く売っておきたいと思われるのでしたら、
「売主で潰しますが、満額で契約してください。」
と条件をつけることも考えられます。
建物撤去費用ですが、最近ずいぶん高くなっています。
4LDKの建物だと、150万円~200万円くらいかかるようです。
前面道路が狭い場合や、庭石や庭木がある場合は更に高くなります。
また、「測量も売主でお願いします」と言われることもあります。
測量費用の目安は50万~です。
このような条件交渉に応じるかどうかは、不動産会社とよく相談して決めてください。
まとめ
以上見てきたように、建物を先に潰しておくことをお勧めするのは、
1.先に費用をかける余裕がある。
2.時間をかけないでも売れる土地である。
このような場合です。
潰すにしても、そのままに置いておくにしても、まずは不動産会社とよく相談して決めてくだい。
監修者情報
- 不動産売却のプロとして、
皆様のお力になりたい。 -
代表取締役 柳田 伊津美